腕時計が止まった、電池交換をしても時計が動いてくれない…そんな悩みをあなたは抱えていませんか?
オーバーホールは高額になってしまうため、選択肢の1つがムーブメントの交換。
ムーブメントを交換することでより低コストであなたの時計が息を吹き返す可能性があります。
そして、逆に費用が高くなるケースなども踏まえながらお伝えします。
目次
ムーブメントの種類は機械式、クォーツ式の2つ
ムーブメントの種類は大きく2つに分けられます。
これからご紹介しますね。
機械式ムーブメントとは
機械式ムーブメントは動力がゼンマイになっているムーブメントのことを指します。
巻き上げたゼンマイが元に戻ろうとする反発力を利用して針を動かしており、物理的な仕組みのみで時を刻みます。
昔からある仕組みで今でも基本的な構造は変わっていません。
機械式ムーブメントのメンテナンスの周期はおおよそ「3〜5年」と言われています。
クォーツ式ムーブメントとは
クォーツ式ムーブメントは動力が電気になっているムーブメントのことを指します。
機械式とは異なり、回路には水晶が入っています。
水晶に電圧をかけて振動させることで、精度の制御を行っていて、電圧をかけられた水晶は、常に規則正しく振動するという特性を備えています。
クォーツ式ムーブメントのメンテナンスはおおよそ「10~15年」が目安と思っています。
それぞれ特徴が異なるのでどうやって構築されているのかを把握することは大事ですね。
ムーブメントの交換はオーバーホールより安く済む?
先ほど2つのムーブメントを例に挙げましたが、結論、ムーブメントの交換でオーバーホールより安く済むかは「ものによる」が回答になります。
ムーブメントの交換で安く済むケースとしては、汎用ムーブメントを使用している場合でETAの廉価品やセイコーの普及品のものを使用している場合です。
汎用ムーブメントが使用されているのは低価格帯の時計などが多いイメージを持っている方も多いと思います。
ですが、これまで各社クロノグラフなどにも搭載されていたバルジュー7750(現:ETA7750)なども汎用ムーブメントの1つのため、一概に安い時計に汎用ムーブメントが用いられているかというとそうではありません。
あなたの持っている時計のムーブメントは何が使われているか、調べてみるのも時計への愛着がわくきっかけになると思います。
費用が高くなるケースは汎用品ではない場合!
汎用ムーブメントは名の通り、どのメーカーの時計にも使用できるムーブメント。
そのため、流通量も多く、交換しやすいことが特徴。
汎用ムーブメントはそのまま使用されていると思われがちですが、「エボーシュ」と呼ばれる所謂、半完成品状態で販売されています。
ETA Manufacture Horlogère Suisse 公式オンライン:https://www.eta.ch/en
なので、メーカーごとに独自のカスタマイズを施して使用しており、同じ汎用ムーブメントを採用しても、メーカーによって仕上がりが異なるものもあります。
それに対して自社で製造しているムーブメントの場合、入手は不可能なので修理以外の選択肢はありません。
ですがブランドの個性を表現されたこだわりのムーブメントは長期間愛用するのにとても向いていると思っています。汎用品のムーブメントを交換したい場合は、修理店などに問い合わせてくださいね。
自分でムーブメントの交換を行うのは危険!
まれにご自身でムーブメントを交換しようとする方がいらっしゃるのですが…時計について勉強していない方だと直すどころか更に壊してしまいます。なぜかというと、時計のムーブメント交換は、
・キャリバー番号が一致
・文字板を支える足の位置
・針を刺す歯車の高さ
・カレンダーの形式
が完全に一致するものを入れ替える必要があるからです。
なので、無闇に修理を行ってしまうと最悪、修理することができないという状態になりかねません。
なので、ムーブメントの交換など、大事な場面ではセルフで行うのではなく、その道のプロに任せることが結局一番安上がりになりますよ。
うまくいけば金額も最小限でできますがかなりの確率で故障させてしまった場合、新たに修理費用を払って修理してもらうことになります。
もしあなたがムーブメント交換にチャレンジしてみたいときは、工具を揃えたり手順を十分に調べて細心の注意を払いながら作業を行ってみてくださいね。
ムーブメントを交換した場合の平均価格とは?
ムーブメントの交換は物によってかなり変動してくるのですが…
国産、舶来のクォーツの廉価品であれば15,000円
機械式の並級品の国産であれば20,000円ぐらい
舶来であれば40,000円ぐらいを目安にしていただきたいです
今後、時計を快適に使用するために気をつけること
普段からの手入れ
着用後は柔らかい布で汗や汚れを優しく拭き取りましょう。特にベルトやつなぎ目の汚れは放置すると、悪臭やサビの原因になります。革製ベルトは湿気に注意し、涼しい場所で保管することが大切です。
磁気の近くに置かない
スマホやスピーカーなど磁気の強い場所で保管しないことが大切です。磁気が近くにあると、時計が止まったり、時間が狂う可能性があります。電化製品やバッグの磁石から離して保管しましょう。
湿気や水気に注意を払う
キッチンや洗面台など湿気や水気の多い場所に置かないことが重要です。湿気が時計内部に侵入すると、錆びや故障の原因になります。水場から遠ざけ、乾燥した場所で保管しましょう。
オーバーホールを行う
定期的にオーバーホールで内部の油切れや部品の摩耗を防ぎ、精度を保ちましょう。メンテナンスを行うことで故障を未然に防ぎ、時計の寿命を延ばし20年以上愛用することも可能です。
そして、弊社Foliotでのムーブメンント交換のご相談も承っております。
郵送、直接問わず修理可能なのでぜひお気軽に下記のURLからお問い合わせくださいね。