腕時計が壊れたら修理はどうすればいい?チェックリスト&修理ガイド

腕時計が急に動かなくなると、焦ってしまいますよね。

ですが、多くの場合、適切な初期対応を行うことで深刻な故障を防げたり、修理費用を抑えられる可能性があります。時計修理歴27年のプロとして、まず時計が壊れたと感じた際にすべき初期対応のポイントを具体的に解説しますね。

壊れている腕時計

症状別!時計のトラブル簡単チェックリスト

腕時計のトラブルは症状によって原因や対応方法が異なります。
ここではよくある症状別に簡単にチェックできるポイントをまとめました。

秒針が止まった・遅れる・進む原因と対処法

秒針が止まったり動きが不規則な場合、クォーツ時計の場合は「電池切れ」を最初に疑います。
秒針が2秒や4秒ごとに動くのも電池切れの兆候で、遅れたりする場合は「磁気帯び」の可能性も考えられます。

そして、機械式時計の場合は「ゼンマイ切れ」の可能性があげられます。
その際はゼンマイ交換と同時に分解掃除をするのが理想で、クォーツ時計とは異なり、機械式は磁気帯びの時に進みになる可能性が高いです。

磁気帯びの影響を受けた時計は修理店で磁気抜きをすれば解決します。
これらを確認しても改善しない場合はムーブメント内部の故障が疑われるため、専門家への依頼が必要です。

腕時計を修理している様子

リューズが回らない、針が動かない場合の対応

リューズが回らない場合は、サビやゴミの侵入、潤滑油の枯渇、内部の破損が原因の可能性があります。
無理に力を入れると悪化するため、早めに専門店に修理を依頼しましょう。

針が動かなくなった時は、強い衝撃や内部の歯車のズレが考えられます。
無理に動かさず、プロに任せるのが安全です。

ガラスの曇りや水分混入を見分けるポイント

時計のガラスが曇ったり結露したりするのは、内部に水分が侵入しているサインです。

この状態を放置するとサビやムーブメントの損傷につながるため、迅速に専門店での点検・修理を受けましょう。
応急処置としては、効果は限定的ですが時計を乾いた布で拭き取り、その後すぐに専門家に相談することが重要です。

修理は自分でする?プロに任せる?判断基準を解説

腕時計を修理している様子

腕時計の修理を自分で行うかプロに任せるか迷った時、どのように判断すべきかを解説します。

自宅で修理可能なケースとその対応法

電池交換やベルト調整は初心者でも比較的簡単に行えます。

ただし、適切な工具や方法を理解したうえで行いましょう。
時計の裏蓋を開ける際は専用工具が必要で、無理にこじ開けるとケースやパッキンを傷つけてしまう恐れがあります。

また、時計の汚れは、柔らかい布や専用クリーナーを使って軽く拭き取ることで対応できます。
ただし、ダイバーズウォッチや特殊な構造の場合、電池交換を自分で行うのはリスクが高いため、慎重に判断しましょう。

プロの修理が必要な故障の見極め方

壊れている腕時計

ムーブメントの故障や内部の精密部品に問題がある場合は、一般の方が対応すると悪化する恐れがあるため、プロにお任せしましょう。
無理に触ると歯車がかみ合わなくなったり、別の部品を破損させたりする可能性があるため、専門店に相談するのが最善策です。

また、時計が水没した場合は、自己流で乾燥させるのではなく、すぐに専門店へ持ち込みましょう。
放置すると内部の腐食が進み、修理費用がかさむ原因になります。

時計修理の費用相場とは?

計算表

腕時計の修理を検討する際、気になるのが費用相場です。
ここでは代表的な修理内容とその費用目安をまとめました。

電池交換・オーバーホールの費用相場まとめ

電池交換の費用は一般的に 1,000円~5,000円程度で、作業時間は数分から数十分です。
高級ブランドの時計は正規店での交換を推奨されることがあり、その場合は5,000円以上かかることもあります。

オーバーホール(時計内部の分解・洗浄・調整)は 3年~5年に一度が推奨され、費用は 1万円~3万円程度が一般的です。
ロレックスやオメガなどの高級時計では 5万円以上かかることもあります。
オーバーホールはムーブメントの寿命を延ばし、長く使うために重要なメンテナンスの1つです。

修理費用が高額になりやすい時計の特徴と事例

高級ブランド時計や複雑機構付きの時計は、特殊パーツの入手や専門技術が必要なため、修理費用が高額になりやすいです。
特にクロノグラフ機能や永久カレンダーを備えた時計は、通常の時計よりも部品の調整が難しく、修理費用が高額化する傾向にあります。

例えば、ロレックスのオーバーホールは 5万円~10万円、パテックフィリップなどの高級時計は 10万円以上かかることがあります。
また、 ガラス交換リューズ修理などの部品交換も、高級時計では 数万円~十数万円するケースがあります。

時計修理のよくある質問をプロが解説(FAQ)

時計の内部

時計の修理に関して、多くの人が疑問に思うポイントをプロの視点から解説します。

時計修理の期間はどれくらい?

修理の内容によって所要期間は大きく異なります。

  • 電池交換 → 5分〜30分程度(店舗による)
  • オーバーホール(分解清掃) → 2週間〜2ヶ月程度
  • ムーブメント交換 → 2週間〜1ヶ月程度(部品の在庫状況により変動)
  • リューズやガラス交換 → 2週間〜1ヶ月程度(部品の在庫状況により変動)

特に 海外ブランドの時計は正規修理の場合に数ヶ月かかることもあります。
メーカー修理は時間がかかりますが、純正パーツが確実に使用される点がメリットです。

修理か買い替えか迷ったときの判断ポイント

時計を修理するか買い替えるかは、修理費用と時計の価値を比較することで判断できます。

  • 修理費用が時計の購入価格を超える場合 → 買い替えを検討
  • 高級時計や思い入れのある時計 → 修理を推奨(オーバーホールで長持ちさせる)
  • 新品の部品が入手困難な場合 → 修理が難しいケースも

修理店はどう選べば安心できる?

時計の文字盤

時計修理を依頼する際、正規修理と街の修理専門店のどちらを選ぶか迷うこともあると思います。
なのでそれぞれのメリット、デメリットをお伝えしますね。

正規店のメリット・デメリット
メリット:純正パーツが使用される、メーカー保証が受けられる
デメリット:修理費用が高額になりやすい、修理期間が長い(数ヶ月かかることも)

時計修理専門店のメリット・デメリット
メリット:修理費用が抑えられる、修理期間が短い(数日〜数週間)
デメリット:非純正パーツを使うことがある、技術力にバラつきがある

時計修理のプロが伝えるメンテナンス術

時計が壊れた場合、まずは電池切れや磁気帯び、機能の確認をすることが重要です。
水没や衝撃を受けた場合は無理をせず、速やかに修理店に相談しましょう。自己流の応急処置は症状を悪化させる恐れがあるため、注意が必要です。

腕時計を長持ちさせる日頃のお手入れ方法

時計を使用後は柔らかい布で軽く拭き、汗や皮脂を取り除く習慣をつけましょう。
特に革ベルトは湿気に弱いため、通気性の良い場所で保管すると長持ちします。

保管時のポイント
・湿気の少ない場所に保管
・磁気を発するもの(スマホ・スピーカー)から遠ざける
・しばらく使わない時計は、オーバーホールを検討

定期的にベルトやケースを清掃することで、経年劣化を防ぐことができます。
特に防水時計は、数年に一度パッキン交換を行うことで防水不良を防ぐことができます。

壊れた時計を修理して使い続ける本当の価値とは?

時計は 単なる時間を確認する道具ではなく、思い出や愛着が詰まった大切な品 です。
修理することで再び使用できるようになり、新品を購入するより経済的かつ環境にも優しい選択 となります。

特に高級時計や記念品の時計は、適切なメンテナンスを行えば 何十年も使い続けることが可能です。
時計を修理して大切に使うことは、物を大事にする心を育むと同時に、持続可能な消費にもつながります。

時計が壊れた時は冷静に対応し、プロに相談して安全かつ適切な修理を受けることをおすすめします。

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